No.008

UPDATE2014/4/1

“個”がないことが、アイデンティティー

バンドメンバーとして青春を過ごし、WEBのキャリアのスタートは25歳とやや遅め。コーポレートサイト制作や自社メディアの立上げ・運用を経てプラスディーにジョインしたデザイナー・成相巧は、日々何を思い働く?

「きっかけは、なんとなく。」

WEB業界に入ったのは、ほんとになんとなくでした。当時は本気でバンド活動をしていて、全国をツアーで回ったり、インディーズでCDを出していたりしたのですが、音楽で食べていけるとも思ってなくて……。それで、何かやんなきゃというときに、思い付きでプログラミングがやりたいなと。でも、恥ずかしいぐらい知識がなくて、JAVAとJavaScriptの違いも分からないまま、採用面接で「ジャバ」がやりたいですなんて言ったこともありました。どんなやりとりをしたかは記憶にないですが、たぶん何にも知らないのが伝わったのでしょう、JAVAの参考書をいただいたのを覚えています(笑)。

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そんな感じだったので、苦戦するかなと思ったのですが、運よくとある会社に入社できました。最初はバンドも続けながらの2足のわらじで。もともとWEBとは関係ない会社だったのですが、WEBの受託業務を始めるということで、その部署の初期メンバーとして入社しました。立上げなのに僕みたいな経験のない人間を採るくらいだから、ちゃんとWEBをつくれる人が誰もいないというところからのスタート。当然、教えてくれる人もいませんでした。でも、仕事は入ってくるからやるしかなく、手探りで無理やりつくって技術を覚えていきましたね。担当したのはデザインとHTMLコーディング。当時はテーブルレイアウトからXHTMLに移行しようという時期だったので、このとき始められたのは運が良かったのかもしれません。やっていくうちに興味を深める性格なので、WEBデザインのおもしろさにのめり込んで、いつの間にかバンドより優先度が高くなっていきました。

「個がない。こだわりがない。」

思えば、長く続けていることって、なんとなくの思い付きや、周りの人間の影響、その場の流れで始めたことが多いですね。なんでもいいって訳ではないのですが、自分の中に「コレがやりたい!」みたいな強い思いを持つことが少なくて……。バンドでベースを始めたのも担当がいなかったからだし、最終的にカオティックハードコアっていうジャンル(成相が所属したバンドが演奏していた音楽のジャンル)に行きついたのも、周囲の影響が大きくて。ファッションやインテリアみたいなビジュアル的なものにもそんなに興味がなかったのに、デザイナーをやっているのもそう。はじめは興味がなくても、やっているうちに好きになることが多いのです。一緒にやる人たちの居心地が良かったりすると特にそうなりやすいですね。

そんなこともあってか、僕のデザインには「個がない」みたいなことを藤原(プラスディー クリエイティブデザイン局 局長)から指摘されたことがありました。自分でも納得できる部分はあって、ようは自分の中で絶対的な主張がないのです。だから、与件の縛りが少ないと何をつくっていいか迷ってしまうこともありました。そういう案件をいくつか担当させてもらうことで、自由な中で制作する楽しさを分かり始めて。個を出すようなデザインもできるようになってきたかなと思っていますが、それでもやっぱり、最初から個が強い人には敵わない部分はあります。

「個がないことを、個性にしたい」

今でこそ自覚もしていますが、最初に「個がない」と言われたとき、実はピンとこなかったのです。個ってなんだ? って考えてみたとき、以前の職場には個がある人があまりいなかったのだと気付きました。自己主張という意味では「我」が強い人はいましたが、つくりたいものがハッキリしているような人がいなかったんのです。だから「個」という考え方が最初は分からなかったし、分かってからは自分の弱みだなと思っていました。

プラスディーは受託メインの会社なのに、個がある人が多い。特に、古参メンバーはそうだなと感じます。ただの制作会社じゃなくて、よそができないことをやろうという気概なのかもしれません。そんななかで、個がなかった僕だからできることもあると思っています。いろんなテイストのデザインを偏りなくできることで案件の幅を広げること。自分のつくったデザインへの戻しを、「それもいいかも」と素直な気持ちで受け止めること。僕と同じように、個が薄めの新メンバーが入ってきたら、個を見つけられるようアドバイスすること。

個がないという弱みも、捉え方によっては強みにもなる。個性派ぞろいのなかに、個がないと言われた自分がいることの価値を発揮したいですね。

「個がない」という、強みと弱みが表裏一体となった自身の特徴についてニュートラルな視点で語ってくれた成相巧。ただこの男、流されるだけではなく、「人の居心地が良くても、他にやりたいことがあったら転職してきました。人がいいなら、転職したって会いに行けばいいので。仕事はあくまで仕事内容で選びます」というセリフも。個がないというより、どこまでも客観的なのかも?

メンバーからのメッセージは、「個がない」と言い放った張本人・藤原と、デザイナーとして1年を過ごし「個」を身に着けてきた? 2013年度新卒の梅田から。

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Kiyotsugu Fujiwara
「個」がない成相。彼の性格からしてきっといい意味で捉えてくれるだろうと思い言ってみました。 決して「個」がない訳ではなく周りに恵まれていることに気づき、うまく染まって「成相色」を作り出していけば、きっとそれが「成相巧」として完成されていくだろうと期待してます!
Naoki Umeda
まさにベーシストだなと思います。 部下や案件を根底(ベース)から支えつつ、引っ張っていくような方だなと。 特に僕がミスを連発してしまった時に相談に乗って頂き、「(ミスが)無くなるまで絶対に見捨てないから。」と強く仰って頂いたのには、凄く心打たれました。 ちなみに、軽音部(プラスディー社内部活動のひとつ)で一緒にスタジオに入った事があり、その時に聞いた成相さんのベースギターの音が超攻撃的で普段とは全く違う姿になり驚きました。

成相巧の+D ― +Display Plant (植物を飾る)―

オフィスの来訪客からも評価が高い、プラスディーの観葉植物たち。その選定や配置決め、世話を行うグリーン部は成相の声で発足した。土が乾けば霧吹きで水をやり、天気のいい日は日の当たる場所に鉢を運ぶ。日常を大事にする彼らしさの表れた趣味。

No.008

Takumi Nariai

専門学校卒業後、バンドメンバーとしてツアー活動などを行う。解散後、WEB業界に転身し、コーポレートサイト制作、自社メディアサイト立上げ・運用を経てプラスディーにジョイン。チーフデザイナーとして、制作メンバーをまとめつつ、プレイヤーとしてデザイン業務に従事する。

PHOTO by Kyosuke Adachi : INTERVIEW by Yasuhiro Tanaka : BUILDING / PLANNING by Takumi Nariai : EDITING / PLANNING by Kiyotsugu Fujiwara