No.014

UPDATE2014/10/1

『ニュー・シネマ・パラダイス』映画に新たな黄金期を

「好きなことしか仕事にできない。好きなのは映画」そんな想いにしたがって映画業界で働くことを選んだ高梨雄次。その思いは今でも変わらないという彼が、映画会社を辞めてWEBの世界へ足を踏み込んだ理由とは?

映画だけが我が『パッション』

大学3年生の時、就職を意識して最初に考えたのが、「映画に関わる仕事がしたい」でした。

映画に興味を持ったきっかけは父の影響。毎週金曜日になると父がレンタルビデオを3本借りてきて、金・土・日に1本ずつ観るというのが高梨家の習慣だったんです。物心ついたときからずっと父の傍で映画を見てきました。約2時間のなかで、別の人生や別の世界を体験できることにワクワクして。中学生の頃には父に付いてレンタルビデオショップへ行ったり、映画館に行くようになり、映画を観ることが生活のなかでの大きな楽しみになっていました。

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とはいえ、他にも好きなものはあったんです。学生時代はダンスや陸上にも本気で打ち込んでいたし、映画と近いところでは漫画も大好きでした。なのに、就職活動をはじめるときに思い浮かんだのは映画だけだったんですよ。「好きなことしか仕事にできない」という想いははっきりしていました。でも、それがなぜ映画じゃないといけなかったのかというと、自分でも分かりません。自分で0から1を創り出すよりも、1を2や3と大きくしていくことの方が得意だから、オリジナルであることが求められるダンサーやスポーツ選手は難しいと思ったというのはあります。それでも漫画のマーケティングとかなら興味を持っても良さそうなんですけどね。

でもとにかく、頭には映画しかなかったので、就活では映画に関われる会社を配給会社からチラシ制作の会社まで100社くらい受けました。結果、前職の映画会社から内定がもらえ、社会人生活はその会社ではじまりました。

『俺たちに明日はない』のか?

入社後は営業に配属され、量販店やレコードショップへのDVDやCDの販売営業を行っていました。もともとは映画の買い付けなどが出来る制作部に憧れていたのですが、営業の仕事もやりがいを感じられました。買い付けも営業も、自分のオススメした映画を世に広めるという部分では共通しています。だから、それぞれの映画の良さをお店の人に伝え、商品を店頭に置いてもらうのが嬉しかったんです。その後、マーケティング業務などを経て、買い付けが出来る制作部へ移動。念願が叶ったものの、そこではじめて自分のいる業界の置かれている環境に危機感を持ちました。

トレンドの移り変わりが早くなっている一方で、映画の買付けからDVDになるまでには1年から3年程かかってしまいます。これから公開される映画が、数年後にDVDとしてヒットするかどうかを予測するのはとても難しい状況でした。そんな現実があるなかで、映画業界の在り方についてもいろいろと考えるようになったんです。そこで行き当たったのが、「映画ってほとんど進化してないじゃん」という事実。撮影技法や再生デバイスが変わってはきましたが、ユーザー目線からすると根本は変わってないんです。観る側にとっては一番映画を楽しめて、売る側にとっては一番収益のあがるのは劇場上映。観れる時期や場所が決まっていて、拘束時間も2時間以上と長い、という劇場上映の在り方は映画ができてからほぼそのままです。

今の時代、映画のライバルは4マス以外にもたくさんあります。スマホのゲームなんかはその最たるもの。いつでもどこでも、ほんの数分あれば楽しめるコンテンツと戦っていくのに、映画は進化しなくて大丈夫なのか、映画に明日はあるのかと悩んでいました。

『スピード』が映画を変えるかもしれない

そんなとき、IT業界で働いている友達と話し、IT業界では10年あれば全く違う常識ができると聞き、業界のスピード感の違いを知らされました。映画を変えていくためのヒントが、ITにあるかもしれない。そんな想いから、プラスディーへ転職することを決めましました。

入社して一番驚いたのは、制作スピードの速さ。WEBの制作スパンは、映画会社にいたときに比べると極端に短く、なかなか付いていけませんでした。例えば文字修正をする場合、DVDパッケージの印字ミスがあったら、回収などもあわせて数日かかりますが、WEBなら数分単位で出来てしまう。もちろんツールの問題ではありますが、人の判断や作業もそれに合わせてスピーディーでした。

最初は戸惑ったスピードにも徐々に慣れてきたなかで、現代の時間の流れにマッチしているのはWEBのスピード感だと思うようになりました。スマホができて人々の生活が変わったように、みんなの考え方や行動って、一番変化が早いところに順応しますよね。変化していく人々に見捨てられないようにするには、映画もスピード感を持って進歩しないといけない。そのために僕が一石投じられれば、映画好きとしてこれほど幸せなことはありません。

いろいろ言いましたが、映画もまだまだ捨てたもんじゃないはずなんです。WEBの世界でも動画広告がトレンドですし、映像の力は現代でも絶大だということは証明されています。映画がまた存在感を持って輝けるように、ITと映画の両方を経験した自分だからこそできる事があると信じて頑張っていきたいですね。

メンバーからのメッセージは、高梨とおなじく大の映画好きな宇土と、デジタルクリエイティブユニットの動画編集担当・安達から

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Kyosuke Adachi
0から1を創り出すことより、世に広めることのサポートをしたいという言葉に表れているように、いわゆる「制作」タイプではない高梨さん。ものづくり志向のメンバーが多いプラスディーの中では珍しいタイプかもしれません。 その一方で制作陣がいいものをつくれるようにと調整に奔走してくれる姿には、創ることへの敬意を感じます。
Yuriko Uto
「いつかプラスディーで映画に関係する仕事がしたいね――」 大の映画好き仲間の高梨さんとそんな会話を交わした事を今回のインタビュー記事を読みながら思い出しました。高梨さんと言えば「映画」。周りにそう思わせるのは、日頃から何が好きで何がやりたくて何が得意、といった事を公言しているからだと思います。 今年に入って、プラスディーでは映像を中心としたクリエーティブユニットが設立されました。 ITと映画の両方を経験した高梨さんだからこそ出来る映画とWEBの化学反応を同じ映画好き仲間として楽しみにしてます!

高梨 雄次の+D ― +DELICATE(デリケート)―

見た目はテキ屋の兄ちゃんのような出で立ちでありながら、中身は繊細な高梨。制作メンバーへの配慮は、細かいところまで気にしてしまいがちな彼だからこそ出来ることなのかもしれない。ちなみに胃腸もデリケート。

No.014

Yuji Takanashi

上智大学卒業後、大好きな映画にどっぷり浸かるために、新卒で映画会社に入社。 営業、制作(洋画買付、邦画制作、パッケージ制作業務等)に携わった後、「WEBと映像の融合」に未来を感じ、プラスディーに入社。プラスディーCEO・本田とは、中学生時代に家庭教師をしてもらって以来の付き合い。

PHOTO by Naoki Umeda : INTERVIEW by Yasuhiro Tanaka ・ Sayaka Horii : BUILDING / PLANNING by Takumi Nariai : EDITING / PLANNING by Kiyotsugu Fujiwara