No.038

UPDATE2016/12/1

視野

専門学校卒業後、デザイン事務所でのインターンを経て、2014年秋にアルバイトとしてプラスディーと関わり始めた山中亮。アルバイト期間を含めると在籍期間が2年を越えた彼が感じる、制作への意識の変化とは?

カッコいいものの定義が、狭かった。

プラスディーの新卒採用に応募した時、すでに専門学校を卒業していてデザイン事務所でインターンをしていました。既卒で他の新卒より年齢が上だし、WEBの知識も無いしというなかだったのですが、「一旦アルバイトとして働いてみる?」と言ってもらって。それまでやっていたグラフィックデザインではIllustratorでレイアウトを組んでいたのが、WEBデザインだとPhotoshopを使う人が多いというのも初めて知って、そんなところからカルチャーショックでしたね。半年アルバイトとして働いた後、晴れて新卒入社しました。

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そもそも、プラスディーに入りたいと思ったのは、グラフィックデザインだけじゃなく、WEBやアプリ、その他いろんな制作物に関われそうだったから。視野を広げたいなと思ってたんです。当時は一般常識や知識が全然なかったし、何より、カッコいいと思うものの範囲が本当に狭くて。インターン先でもよくそれを指摘されていました。クライアントだったりユーザーだったりのことをもっとリサーチしろとか、自分がカッコいいと思うものじゃなくて世の中に求められるものを考えろとか。そのためには、いろんなものをつくる経験が必要だなと思って。ただ、そのインターン先自体は、つくるものの幅は決して広くなかったんですよね。アーティストのジャケットデザインを指名で受注するような著名なクリエイターさんの事務所だったので、作家性を築くというか、1つのテイストを突き詰めるようなところがありました。それで、外で修行しようと思って見つけたのがプラスディーだったんです。

技術やセンスの捉え方が、狭かった。

最初にデザインをやりたいと思ったのは、高校生の頃にCorneliusの『POINT』というアルバムのジャケットの感動がきっかけで。もともとCorneliusが好きで、このアルバムは聴く時によって爽やかに聞こえたり、憂鬱に聞こえたりするんですが、ジャケットもまさにそんな感じなんです。見る時によって、印象が全然違って。白い紙に青いスプレーを吹き付けただけみたいな、めちゃくちゃシンプルなデザインなのに、です。何とも言えない雰囲気の曲でビジュアル化しづらいだろうに、スッとマッチしていて、曲の理解度やセンスが凄いなと思いましたね。

ただ、恥ずかしながら、視野の狭さというか、安易に考えるところは昔から変わらなくて。というのは、そのジャケットはつくること自体は別に難しくないだろうって考えちゃったんです。単色のスプレー吹き付けるだけなら、センスさえあればすぐできちゃうなって(笑)。それで、ツールの使い方を手っ取り早く身につけようと思って専門学校に進学しました。もともと絵が得意だったし、IllustratorやPhotoshopの基本的な操作もマスターしたつもりだったし、在学中からインターンも希望の会社に行けたし、途中までは順調でしたね。実はインターン先、それこそCorneliusのジャケットも手掛けられてる信藤三雄さんの事務所だったんです。当時はそのまま就職したいと思ってました。そう甘くはなかったので、今こうして勉強しているんですが(笑)。

つくるための考え方や手段が、狭かった。

とはいえ、今は少しずつ視野を広げられているのかなと思っています。以前は自分自身のカッコいいという基準がかなり優勢だったのが、今は使う人のことを意識できるようになってきたし、人からの指摘も素直に受け入れられるようになりました。以前は一枚画の完成度だけを求めていたのが、今はそのデザインがどこでどう使われるか、全体感を見るクセがついてきました。バナー一枚つくるにしても、どこに置くバナーかは常に確認しますし、実際にバナーを置いたモック画像もつくってみるというのが、当たり前になりました。先輩たちに、何度も同じことを指摘いただいたおかげなんですけどね(笑)。

あと、最近チャレンジしてみて手応えがあったのは、ギミックも含めたサイト全体の見え方をデザインしていくことです。静止画ではなくて、アニメーションとして考えるようになったのも大きいですが、エンジニアと協力しながらデザインできたのが何よりおもしろかったですね。リッチな動きの実装は、フロントエンドエンジニアの手を借りないとできないので、どんな動きなら実現できるかを話し合いながら進めました。

自分でもアイデアを出しましたが、エンジニアがより良い提案をしてくれて、自分で考えたもの以上のものになったときは、いつもとは違う手応えがありました。チームで制作することへの興味がより強くなったし、そういう意味では視野が広がったのかもしれません。まだまだ視野の狭さを指摘されることはありますし、自分で自覚もしていますが、経験を積みながら改善していきたいですね。

自由人然とした発言が目立つ、飄々としたキャラクターの山中亮。まだまだ自身の変化には無自覚な面があり、こちらから「こういう考え方もできるようになったということ?」と聞いてはじめて、視野の広がりを認識するという段階。自覚的に成長できるようになる日を期待したい。

メンバーからのメッセージは同い年の先輩デザイナー高橋と、年下の同期ディレクター石黒から。

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Kota Takahashi
ヤマナカは、デザインに対してかなり熱くて・仕草が気持ち悪くて・しっかりと持論を持っていて・走り方キモくて・喫煙室では割とモテて・どちらかというと爬虫類で・微妙に後輩想いで・挙動不振で・ベジェ曲線マスターで・主役は嫌だけどちょっと目立ちたいというめんどくさい性格で・センスいいイラストが描けて・なんだかんだ話題の中心にいて・拒絶されながらも最終的には愛されていて・なんとなく良い人です。がんばってください。
Kazuki Ishiguro
入社前に同期同士で初めて顔を合わせて各自自己紹介する機会があったのですが、一人8分の持ち時間のところ40分くらい喋り続け、自分含め他の同期の時間がほぼ無くなる。というのが最初の出会いでした。(初対面、かつ熱心に語るので、誰も突っ込めない状況) そんな一度ハマってしまうとやり込むところがデザインに反映されてクライアントに届き、結果としてコンペの勝率に繋がっているのだと思います。引き続きお互い頑張っていきましょう!

山中亮の+D ― DOUSA-GA-HEN(動作が変)―

発言のズレもさることながら、動作についてもいちいち人と違う山中亮。特に走り方は特徴的で、「ヒザ神」の愛称の某芸人に引けを取らない奇っ怪さが一部で有名。本人は普通なつもり。

No.038

Ryo Yamanaka

CDジャケットなどの音楽デザインに憧れてデザイナーを目指し、専門学生時代に念願のCDジャケット制作を行うデザイン事務所にてインターンを経験する。その後、Webはじめ様々なデザインを学ぶためプラスディーに入社。喋り方や走り方が変。

PHOTO by Naoki Umeda: INTERVIEW by Yasuhiro Tanaka Shun Nishida : BUILDING by Daon Kim : PLANNING by Kazuki Ishiguro : EDITING by Kiyotsugu Fujiwara