No.034

UPDATE2016/8/1

自分の範疇

四大の非美術系学部を卒業後、美術系専門学校に入学し直しデザイナーとなった高橋美由紀。“普通”と言われるルートからは少し外れた道を選んだのはなぜ? その進路選択の理由と、その裏にある考えた方とは?

自分の価値基準

昔から、どうも周りとはちょっと違う選択をしがちでした。高校は地方の進学校だったんですが、地元の国公立大学を目指す人がほとんどなのに東京の私大に進学したり、四大卒なのにクリエイティブ職に就きたくて専門学校に入り直したり……。周りの人のなかには、なんでそんな進路を選ぶんだろうって思う人もいたんじゃないかと思います。

そんなちょっと変わった進路を選んでおきながら、選択理由を言葉で説明するのがちょっと難しくて。すごく深く考えていうよりも、直感的にそうしたいと思ったんです。自分の価値基準に沿って選んできたというか……。周りがそうしているからっていうのはあまり気にしませんでした。高校時代に刺激の少ない地元での暮らしを狭く感じたことで東京に出たいと思ったり、大学時代に所属したファッションサークルでものづくりって楽しいなと感じてクリエイティブ職を目指したり……。改めて振り返ってみると、自分自身が感じたことを大事にして進路を選択してきたように思います。

と言っても「絶対に◯◯がしたい! そのためならなんでもする!」という強い希望ではなかったんですが(笑)。大学も受かるかどうか賭けみたいな大学ではなく、努力すれば手が届く範囲で大学を探しましたし、四大時代にはいったん就活もしてもしてみました。なんだかんだ、現実的な部分はあるんでしょうね。

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自分の成果

専門学校に入る際、どんな分野のクリエイティブに携わりたいかははっきりと決めていませんでした。やってみてから一番自分に合うものを選ぼうと思っていたので、グラフィック、WEB、写真、エディトリアルと幅広い分野を勉強しましたね。いろいろ触ってみるなかでWEBに一番興味を持ったんですが、その理由は実際に手を動かす部分が特別楽しかったというわけではなくて。

むしろ、比較的明確な課題があって、それを解決するための施策を提示するという、制作フローがしっくり来たことのほうが大きかったですね。「とにかくカッコいいものをつくろう」という感じよりも、目的を定めたうえで、そのために何をするか考えるほうが性に合っていたんです。

WEB制作ってお客さんや利用者がいて、その人たちにとってメリットあるサイトにするという目的がしっかりあるので、考え悩むことはあっても、迷うことはないんですよね。アクセス解析で、成果がはっきり見えることも魅力的でした。課題を解くという意味では、テストを受けるのも割と好きでした。特に数学は、公式や定義を使って問題を解くのが楽しかったですね。分かっている・分かっていないが点数としてはっきり現れるのがおもしろくて。

実は、専門学校を選んだ基準も、全入学じゃなく選考試験があったことなんです。無条件で入れるのではなく、課題をクリアしたうえで入学することに意味を感じていたのかもしれません。逆に、特に課題がない、フリーテーマの制作は苦手でした。好きな絵を描けと言われると、何を描いていいか迷ってしまうんですよね。

自分の領域

そんなこんなで、WEBデザイナーを目指して就活して、運良くWEB中心のデザイン会社に就職できました。少人数の会社で、つくったデザインはすべて代表がチェックしていたので、デザインのスキルはもちろん、クオリティへのこだわりも勉強できました。社内にディレクターがいなくて、お客さんと接する機会も多かったですね。

いろんなことを学べていたなかで転職しようと考えたのは、自分が関わりたい領域はもっと広いなと感じたからです。あくまでデザイン会社だったので、案件がはじまるときには、全体のコンセプトや、何をつくるかはすでに決まっていることがほとんど。制作物もWEB中心だったので、一緒のキャンペーンに使うパッケージや紙のパンフレットは別会社の担当ということも多くて、全体のトーンやクオリティの統一感に欠けるなと感じることもありました。デザイナーが全体戦略や企画設計に関わったら、もっといいアウトプットができるんじゃないか、すべての制作物のビジュアルをコントロールする人がいたら、もっと効果のあがる施策展開ができるんじゃないかって思ったんです。

そういうことをやれる可能性を感じてプラスディーに入社しました。同じ会社のなかに、いろんな職域の人がいるのは新鮮で、できそうなこともいろいろあるなと感じています。ただ、プランニングがあって、次にデザインがあって、最後にエンジニアリングがあるという上流から下流に流れるような古いフローもまだまだ多いと思っています。案件スタートのタイミングから、プランナーやディレクターとデザイナー、エンジニアが混ざって議論できれば、一番効率よく、一番高いクオリティの制作物を提供できるはずです。それぞれが職域を広げて、同じ目線で仕事を進めることをスタンダードにしたいですね。

理想のプロジェクトの在り方はという質問に「シンプルに、施策全体の筋が通っていること」という回答をくれた高橋美由紀。それを行うには、プロジェクトメンバー全員が、筋を正しく共有できている必要がある。同じ目的に向かい、同じ目線で。そんなプロジェクト事例をひとつでも多くつくりたい。

メンバーからのメッセージは非デザイナーをチョイス。一緒に案件を担当することの多いディレクター中野とフロントエンド・エンジニアの栗林から。

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Yukiko Nakano
たかみさんは、ご自身のクリエイティブに対して誇りとこだわりを強く持っているので、いつもその想いに引き上げられています。クライアントの要望によっては条件やしがらみが多くある中、それを計算した上でデザインにもこだわりを持つ姿は本当に尊敬しています。ただし、私が少しでも妥協しそうになったり、なんとなく誤魔化しそうになった瞬間も全部バレてしまうので…お尻たたいていただくことも笑 しんどい時は優しく慰めていただき、くだらないことで笑い合う、たかみさんとのお仕事は本当に楽しい!これからも、悪友…いや、戦友として認めていただくべく、これからも日々頑張りたいと思います!!!
Takumi Kuribayashi
デザイナーさんの中でも特にコードへの理解度が深い高橋さんは、エンジニア側から見て安心感があり頼もしい存在です。上流の工程にも積極的に関わっていく気概とタフネスは尊敬しています。ときどき気持ちに日本語が追いつかず、不思議な擬音(解読が必要)が増えるのがチャームポイント?でしょうか。きっとそうです、そうに違いないですね。 僕も少しずつスキルアップしていくので、今後とも課題解決になる良いクリエイティブの実現に力を合わせたいと思います。

高橋美由紀の+D ― Debut ―

入社早々、自身の歓迎会で泥酔デビューを果たした高橋。先輩デザイナーに介抱されつつ 、会社に泊まったのは黒歴史。代償として靴を失くした。

No.034

Miyuki Takahashi

大学卒業後、クリエイティブ関連の仕事をしたいという想いからデザインの道へ。桑沢デザイン研究所卒業。デザイン制作会社にてコーポレートサイトやブランドサイトなどの経験を積んだ後、プラスディーに入社。趣味はエアリアルヨガ。土日はもっぱら逆さまになっている。

PHOTO by Kento Ito : INTERVIEW by Yasuhiro Tanaka / Shun Nishida : BUILDING by Daon Kim : PLANNING by Kento Ito : EDITING by Kiyotsugu Fujiwara